【「子供を殺してください」という親たち】を読んだ話

読書感想文③です。

押川剛さんの本です。LINEマンガを使っていたころ読んでいたマンガの原作?なんでしょうか。私の好みの絵ではなかったのですが、人間の怖さが滲み出るような味のある絵に引き込まれ、無料のとこを全部読んだ気がします。私の容量控えめなスマホだと、他のアプリの起動とかに支障をきたすようになった&時間もったいない!ってことでやめてしまったしまったんです。

この本は行きつけの図書館のリサイクルコーナーで発見しました。「ご自由にお持ちください。読み終わって不要な場合は処分してください。」と書かれていたので遠慮なくいただいてきました。

第一章のドキュメントが、マンガの原作なんでしょうね。あーこれ読んだなって話も出てきました。マンガは観客の視点で書かれていて、この本は押川さんの視点で書かれているので、一つの事例を二つの視点から読むことができて面白かったです。そりゃそうだよね。押川さんだってムカつくよね。って心情がわかったり、あーそれ怖くないんだ。まぁ怖かったら仕事にしてないか。とマンガで感じ取れなかった心情がわかるのが面白かったです。逆に押川さん視点の本ではいまいちイメージしづらい患者の怖さは、マンガのほうがダイレクトに感じられました。

一言で言うなら「精神障害者を医療につなげる移送サービスの仕事を通して見た患者と家族の物語」です。ノンフィクションなので後味の悪い話もあります。押川さんも同じ気持ちで支えていたんだろうけど、読んでる私もがんばれ!って応援したくなる家族もいました。逆にお前が滅びろ!って身勝手な親もいました。鼻息荒く読んでいるうちに落ち着かない気持ちになります。私はよその家の親を糾弾できるほど立派な親か?いうほど子どもに向き合ってるか?私の子育ては正しいか?子どもが自立できず、40歳引きこもりの子を70歳の私が面倒見る未来は絶対に来ないと言えるのか?と。結婚して家族を持った時点でこの話は他人事じゃないと思いました。いいえ、結婚してなくたって、天涯孤独でなければ親や兄弟を背負わなければならなくなるかもしれなのです。

入院できたと思ったらすぐ退院促してくる病院なんなん!?て思って読んでたけど、なるほどお金か~と納得いくようないかないような制度の話なども第二章以降にでてきます。医療につなげられたとしても、そこで終わりじゃないのが辛いですね。

家族ってなんなんだろうなと思う本でした。少なくとも、自分の人生を必死に生きているところに、このドキュメントに出てくるような兄妹を背負わされる子にとっては足枷以外の何物でもないだろうと思いました。そして親としての本音を言えば親の愛情だって無限じゃないよ。親には親の人生だってあるんだよ。製造責任とか知るかと言いたいのも事実です。また子供目線に戻れば、私だって未だに自分の親が好きではありません。いいところや思い出がないとは言わないけど総合評価でいえば、かなり嫌いに傾きます。おそらく親は私にここまで嫌われているとは知らなかったと思います。二人とも亡くなってずいぶん経つんですけどね。今の私だって、子どもに本心でどう思われているかは知りようがありません。表面上は仲の良い親子ですがね。縁の切れない家族だからこそ、こじれると大変なんですね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました