読書感想文です。
去年か一昨年に買ってそのまま放置していた文庫本です。
小学校の頃の夏休みに見ていたドラマの原作の本。3年生くらいの時かなと思ったけど調べたら5年生でした。インターネットって、とっても便利!本を読むまでストーリーも覚えておらず、タイトルと双子の女の子が主人公だったこと、姉はボーイッシュで妹はかわいい恰好が好きってこと、ネコの自転車のこと、伊藤かずえが叔母さん役で出ていたことしか記憶になかったです。サムって誰?復員さん?デパート?みたいに、まったく記憶になかったです。毎日楽しみに見ていたはずなんですがね・・・。猫の自転車はかわいくて憧れてました。でもあんなに多機能だったかな~と。子どもだったから自分の興味のあること以外見てなかったんでしょうね。
本の内容は子供向けとあって、わかりやすくて読みやすかったです。双子の姉のアイちゃん目線で書かれてます。子どもの頃に憧れていたからわかるわかる!と思えたのが夜の世界への憧れです。暗くなって人が少なくなった外に惹かれていたんです。別に何かしたいことがあるわけでも、ましてやこのお話のように不思議な事件?秘密?を追っていたわけでもないのです。ただみんなが外にいない、人が活動していない時間に自分が動いていることが楽しかったんです。夜は遅くなると怒られるので、朝早く起きて外にいたりしましたね。その時間、宿題にまじめに取り組んでいれば、もう少しマシな人生が待ってたのに。愚かだったなあ。
妹のミイちゃんへの劣等感?まではいかない複雑な気持ちを抱えながらも仲良しな姉妹っていいですね。私は兄とは歳が離れているうえに仲が悪いので羨ましいです。子どもにも妹や弟を作ってあげたかったな・・でも私たち兄妹みたいになったら、かわいそうって気持ちもあって、一人っ子でよかったのかなとも思うのです。そんなほろ苦い気持ちになるのはこの歳になって読んだからこそですね。
そして今読んだからこそ感じるジレンマが、夜の外への憧れは理解できるが許可はできないってことですよ。うちの子が夜こそっと自転車で出かけるとか絶対ダメって言ってしまうと思います。危ないですもの。もう大人になった私には、夜にうろついていても心がワクワクするような楽しい秘密がないことも、昼間に比べて危ないめにあう確率があがるだけなことも知っています。口裂け女や人面犬はいないけど、やべー変質者は実在しますからね。幸いうちの子は賢くて慎重なので夜間に外をうろつきたいとか言わないです。愚かなとこが遺伝しなくて良かったです。
サム君へのほのかな恋心や、周囲の人達とのやりとりなど、ほんわかできる素敵なお話です。少しミステリー?東野圭吾さんを思い出す不穏なところがあったけど、ちいかわほどの不穏ではないです。そしてそこまで怖くもないです。物語のちょうどいいスパイスになってました。最後はこれからの双子ちゃん、サム君とはどうなっていくのかな、家族の形はどうなっていくのかなとあたたかい気持ちになりました。
表紙もかわいい!って帯外したらもっと素敵でした。帯外したことなくて気づかなかった。影が美しい・・・暗闇に浮かび上がる家々の明かりや街頭の光、それに作られる影も幻想的なんですよね。
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